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自己破産とば

個人の破産原因は「支払不能」であることとされています。

 

支払不能か否かは,債務者の財産・職業・給料・信用・年齢等により総合的に判断するため一概に基準を設けることはできませんが,概ね負債総額が月給の20倍あれば破産の申立を考えた方がよいかもしれません。

 

また,破産の申立をすることにより,債権者からの厳しい取り立て行為から開放されるので,執拗な催促電話等の悩みが解消されます。 それだけでも随分気が安らぐでしょう。

 

破産者が破産開始決定の後に得た収入,財産は原則として破産者が自由に使う事ができます。ま,、破産開始決定を受けても戸籍や住民票に記載されることはないので,子供の進学や就職等には影響しないし,選挙権・被選挙権などの公民権も停止されることはありません。

 

本籍地の役所にある破産者名簿に記載されることになりますが,この名簿は第三者が閲覧できるものではなく,免責が確定することによに復権を得ればこの名簿から氏名が抹消されます。また,5年〜7年位は銀行や金融業者から融資をうけることはできなくなります。

 

さらに免責決定後7年間は再度免責を受けることができませんので,自己管理を徹底して行なうという気持ちが大切になります。

 

上記のとおり,破産開始決定を受ける要件は,「支払不能」という条件がクリアーされれば,裁判所は開始決定を出します。
破産手続きを選択する最大の目的は,破産開始決定を受けるだけではなく,免責決定を受けなければ申し立てる意味がありません。
しかし,免責を受けるには,ハードルがあり,これをクリアーしなければ免責決定がでません。
免責が許可されない事由については,あとからご説明します。

 

この免責決定が確定することによってはじめて,債務の支払義務がなくなるのです。

免責不許可事由

免責の申立は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後1月を経過する日までの間に,免責の許可の申立てができる、と規定されていますが,実際は,破産手続開始の申立てのときに免責についても申立てをする取り扱いとなっていますので,改めて免責の申立だけをすることは通常ではありません。

 

債務者の本来の目的は,破産手続の開始にあるのではなく,この免責決定を得て,負債を支払わなくてもよい法的状態をつくり,債務者の精神的・経済的更生を図ることが趣旨であることから,不許可事由の検討は,早い段階から検討するべきであると思います。

 

破産法によれば
1. 債権者を害する目的で,破産財団に属し,又は属すべき財産の隠匿,損壊,債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をした

 

2. 破産手続の開始を遅延させる目的で,著しく不利益な条件で債務を負担し,又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分した

 

3. 特定の債権者に対する債務について,当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で,担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって,債務者の義務に属せず,又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをした

 

4. 浪費または賭博などの射倖行為で著しく財産を減少させたり、または過大な債務を負担した

 

5. 破産手続開始の申立てがあった日の1年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に,破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら,当該事実がないと信じさせるため,詐術を用いて信用取引により財産を取得した

 

6. 業務及び財産の状況に関する帳簿,書類その他の物件を隠滅し,偽造し,又は変造した

 

7. 虚偽の債権者一覧表を提出した

 

8. 破産手続において裁判所が行う調査において,説明を拒み,又は虚偽の説明をした

 

 

9. 不正の手段により,破産管財人,保全管理人,破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した

 

10. 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において,それぞれイからハまでに定める日から7年以内に免責許可の申立てがあった
  1. 免責許可の決定が確定した ・・・当該免責許可の決定の確定の日
  2. 給与所得者等再生手続における再生計画が遂行された ・・・当該再生計画認可の決定の確定の日
  3. ハードシップ免責の決定が確定した ・・・当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日

 

11. 破産者が破産法に規定する義務に違反した

 

これらに該当する方でも,その部分に限って一部配当をさせ,それを履行すれば免責決定がでるというような運用も裁判所はしているので,一概に不許可になるとは言えませんし,裁判官の裁量免責もありますので,不許可事由があれば,直ちに不許可になるわけではありません(裁判所により運用が若干異なる)。

自己破産のおける資格制限

破産によって制限を受ける資格は以下の通りです。

 

弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、弁理士、公証人、不動産鑑定士、土地家屋調査士、社会保険労務士、宅地建物取引業、証券会社外務員、生命保険募集 員、損害保険代理店、質屋、警備員、建設業、廃棄物処理業者、調教師及び騎手、割賦購入あっせん業、貸金業、卸売業者、通関士、地質調査業者、下水道処理 施設維持管理業者、共同鉱業権者、補償コンサルタント、旅行業務取扱主任者、国際観光レストラン、塩販売人、商品取引所会員、一般労働者派遣事業者、漁船 保険組合の組合員、公庫の役員、株式・有限会社の取締役・監査役・清算人等。

 

ただし、免責決定を受け復権を得れば、この制限は無くなりま す。

 

また、破産により制限を受けないものは以下の通りです。

 

医師、薬剤師、看護士、建築士、古物商、宗教法人の役員、特別な職を除く国家公務員・地方公務員、教員等。

自己破産のメリット・デメリット

自己破産によるメリット

自己破産によるデメリット

債務の支払義務がなくなる 信用情報機関に事故情報が登録される
取り立てに悩む必要がなくなる 7年間は原則,再度の免責を受けられない
給与等の差押が失効する(あるいは止まる) 自宅を手放さなければならない
(法人の場合)税金の支払義務もなくなる 保証人に免責の効果は及ばない
破産開始決定後の財産は自由に所有・処分できる 官報に掲載される
支払不能の状況にあれば誰でも利用できる 復権まで職業・資格によって制限を受ける
明日から頑張ろうという勇気が湧く (個人の場合)滞納税金等は免責を受けることができない

破産に関するQ&A

破産法に関するQ&A

 

1 破産手続が開始される原因とは?

新破産法の目的として,破産法第1 条(目的)は,「支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続きを定めて,債権者等の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し,もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに,債務者の経済的再生の機会を図ること」を目的としており,破産開始原因は,自然人については,破産法15条により,「支払不能にあるとき」と規定し,同条2項で,「支払を停止したときは,支払不能と推定する」とされているところであり,債務者が法人の場合には,破産法16条により,債務超過も破産手続開始の原因とされています。

 

2 それでは「支払不能」とは,どのような場合を意味するのでしょう?

破産法2条(定義)のよって,「支払能力を欠くため,弁済期に,一般的(総債務について)かつ継続的に弁済できない状態をいう」とされています。

 

さらに細かくみて,それでは,「支払能力を欠く」とはどのようなことかというと,債務者の支払能力とは,「財産」「信用」「労務」によって成り立つところ,これらいずれによっても債務の弁済が不可能な場合を指します。

 

これらは客観的に判断されることになります。

 

3 債権者が1社でも破産開始決定は出るのでしょうか?

判例,通説でも,認められています。

 

4 どこの裁判所に申立てを行うのか?(管轄)

(原則)
1.債務者が営業者である場合,主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所
2.債務者が営業者でない場合あるいは営業所を有しない場合,普通裁判籍(住所地等)の所在地を管轄する地方裁判所

 

(特例)
1.親法人について,破産事件,再生事件,更生事件が係属している場合,子会社の破産申立は親法人の事件が係属している地方裁判所にも申立ができる(その逆も可)。
2.法人と代表者(代表取締役等)の場合,どちらか一方が係属している地方裁判所にも申立ができる。
3.相互に連帯債務者の関係のある個人,相互に主たる債務者と保証人の関係がある個人,夫婦の場合,一方が係属している地方裁判所にも申立ができる。

 

なお,これらの管轄は,破産手続開始の申立を行うときを基準に判断され,その後(申立後)に住所等が移転しても影響を受けない。

 

5 破産手続開始決定を受けた場合,係属中している訴訟はどうなるのか?

破産手続の開始によって,破産者を当事者とする訴訟は中断します。

 

 

6 破産手続開始決定を受けた場合,現に実行されている差押(強制執行)はどうなるのか?

破産債権若しくは財団債権で,破産財団に属する財産に対する強制執行,仮差押,仮処分,一般先取特権の実行,企業担保権の実行は新たに申立てることはできず,既になされている手続きは失効します。

 

7 破産手続開始の申立を行った債務者は,何時までならその申立を取下げることができるのか?

破産手続開始の決定前に限って取下げを行うことができます。つまり,裁判所より破産手続開始決定が出れば取下げをすることができなくなります。

 

8 破産手続きの送達や通知は,どのようなものがあるのか?

旧法では,決定の形式でなされるものは送達しなければならないとされていましたが,新破産法では,次のような裁判が送達の対象となります。
1.他の手続の中止命令等に関する裁判
2.債務者の財産に関する保全処分の裁判
3.一般調査期日の変更等に関する裁判など

 

次に,送達までは必要ではなく,通知で足りるものとして,
1.破産手続開始の通知
2.手続開始後に破産債権の届出をすべき期間及び破産債権の調査をするための期間・期日を定めた場合の通知
3.破産手続開始の決定を取消す決定が確定した場合の通知

 

などが挙げられます。

 

9 破産手続開始決定の効力は?

1.破産手続開始決定により,破産者が,破産手続開始のときにおいて有する一切の財産及び破産者が破産手続開始決定前に生じた原因に基づく将来の請求権は原則,破産財団を構成して,行使等の権限は破産管財人に移ります。

 

2.破産者は,破産手続開始決定後遅滞なく,財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならず,破産者がこれを拒み,または,虚偽の書面を提出したときは,3年以下の懲役または300万円以下の罰金を科せられる可能性もあり,さらに,免責不許可事由にも該当してきます。

 

3.破産者は,裁判所の許可を得ないで居住地を離れることができず,これに違反した場合は,免責不許可事由に該当してきます。

 

4.破産管財人の職務遂行のため必要と認めるときは,裁判所は,破産者宛の郵便物を破産管財人に転送するよう嘱託することが可能となります。

 

10 破産債権(優先的破産債権,一般破産債権,劣後的破産債権,約定劣後債権)とは?

1.優先的破産債権は,一般の先取特権(給料や退職金等雇用関係に基づいて生じた債権,日用品の供給により生じた債権,健康保険料等,国民年金の保険料等,厚生年金の保険料等,国民健康保険の保険料等)と一般の優先権がある債権(国税,地方税等)をいいます。
なお,破産手続開始当時,納期限未到来のものまたは納期限から1年を未経過のものは財団債権とされているため,破産債権に優先して,破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けられます。

 

2. 一般破産債権とは,優先的破産債権,劣後的破産債権,約定劣後破産債権以外の破産債権のことをいいます。

 

3.劣後的破産債権とは,破産手続開始後の利息請求権,破産手続開始後の不履行による損害賠償請求権または違約金請求権,破産手続開始後の延滞税・利子税等の請求権,租税等の請求権で破産財団に対して破産手続開始後の原因に基づくもの,加算税・加算金の請求権,罰金等の請求権,破産手続参加費用の請求権等をいいます。

 

4.約定劣後破産債権とは,債権者と債務者との間において,破産手続開始前に,破産手続が開始された場合,当該破産手続における配当の順位が劣後的破産債権に後れる旨の合意がなされたものをいいます。

 

11 財団債権とは?

1.破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権
2.破産財団の管理,換価及び配当に関する費用の請求権(破産管財人の報酬含む)
3.租税債権で,納期限未到来または納期限から1年未経過のもの
4.破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権
5.事務管理または不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権
6.委任の終了または代理権の消滅後,急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権
7.双方未履行の双務契約において,管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権
8.破産手手続の開始によって双務契約の解約の申入れがあった場合において,破産手続開始後その契約終了に至るまでの間に生じた請求権
9.破産管財人が,負担付遺贈を受けた場合で,遺贈の目的の価額を越えない範囲で,相手方が有する負担の利益を受けるべき請求権
10.破産手続開始前3か月間の給料請求権,退職手当の請求権で退職前3か月間の給料の総額に相当する額のもの

 

これらは,破産手続によらないで随時弁済を受けられます。

 

12 借りた本人(債務者)が破産した場合,連帯保証人には影響があるのでしょうか?

債務者が破産手続開始決定を受けた場合,債権者は,連帯保証人に対して,保証債務の履行請求権を行使してくることになります。

 

つまり,債務者の破産の効力は保証人には影響せず,債務者が免責を得たとしても,連帯保証人に対する権利に影響を及ぼさないことになります。

 

一方,保証人が破産をした場合にはどうなるかですが,破産法105条によって,破産手続開始決定時における債権額全額につき,破産手続に参加できます。債務者は,特段の債権者との特約がないない限り,分割債務であれば,分割で支払っていくことになりますが,債権者は裁判所に届出た債権額を変更(一部弁済による)する必要はないとされています。

 

 

13 別除権とは何でしょうか?

別除権とは,破産手続開始のときにおいて破産財団に属する財産について特別の先取特権,質権,(根)抵当権を有する者が,これらの権利の目的物に対して破産手続によらないで行使できる権利をいいます。

 

破産法100条により,破産債権は,破産法に特別の定めがある場合を除いて破産手続きによらなければ権利行使ができないのが原則ですが,別除権者は,破産手続きによらずに目的物から優先的に弁済を受けられることになっています。

 

例えば,住宅ローンを組んだ債務者が,破産開始決定を受けた場合,住宅ローン債権者である銀行等は,破産手続きによらずに,破産手続とは別に担保権の行使(競売)ができることになります。

 

別除権の権利とは,動産の先取特権,不動産の先取特権,船舶先取特権がありますが,一般の先取特権は別除権ではなく,優先的先取特権として扱われます。一般の先取特権は,債務者の特定の財産から優先弁済を受けるのものではなく,債務者の総財産から優先弁済を受けるため別除権者でないことになります。

 

商事留置権は,別除権となりますが,民事留置権は別除権とは認められておりません(破産法66条)。

 

14 自由財産とは何でしょうか?

破産者の生活保障や経済的な更生を確保する制度です。

 

破産手続きは,破産者の破産手続開始決定時に存する財産を,換価処分して,これを破産債権者に公平に配当する手続きですが,この配当原資となるのが破産財団と呼ばれるものです(破産法34条)。

 

自由財産とは,破産者の破産手続開始時に存する財産でありながら,破産財団を構成しない財産ということになります。

 

具体的には,現金99万円まで,民事執行法第131条1項各号に定める差押禁止動産,恩給法11条,厚生年金保険法41条,国民年金法24条,児童手当法15条,児童扶養手当法24条,雇用保険法11条,自動車損害賠償保障法74条等の特別法上の差押が禁止される財産です。

 

しかし,これらは一概に決定されるのではなく,裁判所は,破産手続開始の決定が確定してから1か月を経過するまでの間に,破産者の申立てによりまたは職権で,決定により,破産者の生活の状況やその他の状況を考慮して,自由財産となるべき財産の範囲の拡張をすることができるとされています(破産法34条4項)。ただし,裁判所が,この決定を出すには,破産管財人の意見を聴かなければならないとしています(破産法34条5項)。

 

以下,個別財産について解説します。

 

(1)退職金

 

破産開始決定がなされても退職する必要はありませんが,在職中であれば,退職金見込額の8分の1の金額が20万円を超えると,超えた額が破産財団に組み込まれます。

 

また,破産開始決定後に退職した場合は,退職金請求権の4分の1が20万円を超える場合,4分の1に相当する金額が破産財団を構成することになります。

 

なお,破産手続開始決定時において既に退職し,20万円を超える退職金を受領している場合は,退職金として扱われず,現金または預金債権として扱われることになります。

 

(2)自動車

 

自動車の換価し得る金額が20万円を超えない場合には破産財団を構成しません。

 

通常,普通乗用車であれば,初年度登録から6年が経過していれば,査定までは求められないのが原則ですが,高級車や人気車であれば,6年を経過していても査定を求められることがあります。

 

(3)不動産

 

破産者名義の不動産は,破産財団を構成します。

 

しかし,住宅ローンがオーバーローンの状態になっていることが多いため,実際には,住宅ローン債権者による競売手続き,または任意売却で処理することになります。

 

(4)敷金

 

賃貸借契約に基づく敷金返還請求権は,将来の債権であるため原則破産財団を構成し得る請求権となりますが,同じ賃貸物件に何十年も住んでいる場合や使用方法により敷金の返還が受けられない可能性もありますし,現実の具体化までには相当な年数を要することと,関東地方では敷金の額が高額ではないことなどから,ケースバイケースですが,一般の賃貸物件に関する敷金であれば,財団に組み入れない取り扱いです。

 

(5)電話加入権

 

現在では,価値のないものとなっているため,破産財団を構成しません。

 

(6)家財道具

 

一般の方が使用している日常家財道具であれば,特に財団を構成しません。

 

(7)生命保険の解約返戻金

 

保険を解約すれば,返戻を受けられる将来の債権であるため,その金額が20万円を超えれば原則破産財団を構成する運用です。

 

また,契約者貸付けなども利用しており,返戻金の額が契約者貸付けと相殺すると,返戻金の額が20万円を超えないケースも多々あります。

 

20万円を超えた場合,原則,保険契約を解約し,返戻金を破産財団に組み入れることになりますが,高齢や既往症などの理由で,同保険を解約すると次の保険に入れる可能性が極めて低くなる場合には,保険を解約せず,返戻金相当額を親族などに援助してもらい,保険契約はそのままという実務上の運用もあるところです。

 

なお,平成3年4月1日以前に個人が契約した簡易生命保険については,差押えが禁止となっているため,自由財産ということになります。

 

15 否認とは何ですか?

破産手続開始前になされた債権者を害する行為(責任財産の減少行為や偏頗弁済等)の効果を失わせ,その行為によって逸失した財産を取り戻し,破産財団のために回復する権利をいいます。

 

否認権の対象となる行為は,大きく分けると、ア「詐害行為」(不当廉売や財産隠匿等)とイ「偏頗行為」(特定の一部債権者への担保提供や弁済行為等)に分けられます。

 

アの詐害行為否認は,@時期を問わずに,破産者が破産債権者を害することを知って行った詐害行為を指しますが,これによって利益を得た者が詐害行為であることを知らなかったときは,これには該当しないこととされています。

 

もう一つの類型として,A支払停止又は破産手続開始申立て後の詐害行為であることが要件ですが,これによって利益を得た者が支払停止又は破産手続開始があったこと及び破産債権者を害する事実を知らなかったときは,詐害行為否認に該当しないこととされています。

 

上記いずれも,受益者が害する行為と知らなかった事実は,受益者において証明責任が生じます。

 

イの偏頗行為否認は,支払不能後又は破産手続開始の申立て後に,既存債務についてなされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為を行い,受益者が,支払不能であることや支払いの停止があったこと,破産手続開始の申立てがあったことの悪意が必要になります。

 

次に,無償否認として,破産者が,対価を得ないで財産を減少する行為(贈与,債務免除等)をなし,又は債務を負担する行為を,支払停止後又はその前6か月以内になした場合又はこれと同視すべき有償行為は,否認の対象となります(破産法160条3項)。

 

それでは,社会的活動に不可欠な冠婚葬祭費や誕生日の贈り物は,社会的相当な額であれば,否認の対象には原則なりません。

 

次に,離婚に伴う財産分与をする者が債務超過の場合については,正当に分与されるべき部分については,破産財団を構成しないため,過大とならない額であれば,詐害行為の対象になりませんし(最判昭58年12月19日民集37巻10号1532頁),離婚による慰謝料の支払いについても,その慰謝料の額が適正なものであれば,詐害行為とはみなされません(最判平12年3月9日民集54巻3号1013頁)。

 

16 同時破産廃止とは何ですか?

破産法上,破産手続は,破産管財人を選任して行う管財手続を原則としていますが,破産財団たる財産が僅かで,破産手続費用を支弁するだけの費用が賄えない場合には,そのまま破産手続を続行しても無駄ですから,例外的に,破産手続開始決定と同時に破産手続は廃止されます(破産法216条)。これを同時破産廃止と呼んでいます。

 

そして,この要件としては,破産手続開始時において,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると裁判所が認めたときです。

 

この破産手続費用とは,破産手続を進めていくのに必要な各種の費用,破産財団の管理・換価費用,管財人の報酬などです。

 

つまり,この場合には,破産管財人は選任されないことになり,各種資格制限の効果が復権するまで継続することになりますが,破産者は,財産の管理処分権を失わないことになります。

免責に関する裁判例

免責不許可に関する裁判例をみていきます。

 

1 破産法366条ノ1第1号の浪費とは

 

 

「事案」
Aは,会社員であり,マンションを購入し,勤務先等からの借入れ金の余りで株式投資を始めた。
しかし,運用を任せていた会社の倒産により既に得た利益を全て失い,借金返済のため消費者金融からの借入れが始まる。
その後,借金返済のため,再度株式投資を始めたが,株の暴落などにより大きな損失が残り,さらに,事業を始めようとしたが,これも失敗に終わり,結局マンションを売却して返済に充てるとともに勤務する会社を退職して社内借入金と退職金とを相殺するなどしたが,2000万円程の債務が残ることとなり,破産宣告及び同時廃止決定が出されたが,株式投資が「浪費」に該当するとして免責不許可となり,抗告した。

 

 

東京高裁(平成8年2月7日決定)は,下記の事由により,原決定を取り消し,免責許可の決定をした。
前提として,株式投資は,Aの経済状況を考えると堅実な債務の返済手段とは考えられず,浪費に該当するが,
@バブル経済の渦中にあっては,株式投資に走ることも無理らしからぬ面がある。
A株式投資に行き詰ったのは,株式暴落が直接の原因であって,Aのみにその責を帰することができない。
Bそれなりに債務の返済に努めてきた。
C身内からの援助が期待できず,また重度の身体障害者である母を扶養していかなければならない。
これらの諸事情を考慮すると,免責を認めて経済的更生を図るのが相当であるとして免責を許可した。

 

 

 

2 破産法第366条ノ9第2項の詐術とは

 

 

「事案」
Bは専業主婦であったが,家計を助けるために化粧品の訪問販売を始めた。
商品の売れ残りは,Aが負担することとなっており,損失が生じ,これをクレジットで購入していたため,その債務が残った。
その後,その損失を回復するためにさらに高収入を得る目的で,宝石類の訪問販売の仕事を始めたが,さらに債務が増大していった。
そこで,これらの債務の返済のため,消費者金融や信販会社からの借入れを繰り返し,新規での借入金での返済が困難になったにも拘わらず,さらに借入れを続けて返済をしていた。
Bは,夫とは離婚に至り,自己破産の申立てをなし,破産宣告・同時廃止の決定を受けたので免責の申立てをしたところ,原審では免責不許可となり,抗告した。

 

これの抗告審である,大阪高裁決定(平成2年6月11日決定)は,
「詐術を用い」とは,破産者が信用取引の相手方に対し自己が支払不能等の破産原因事実のないことを信じさせ,あるいは,相手方がそのように誤信していることを強めるために資産もしくは収入があると仮装するなど積極的な欺罔行為をとった場合もしくは,これと同視すべき指すのであって,破産者が単に支払不能等の破産原因事実があることを黙秘して相手方に進んで告知しなかったことのみでは免責不許可事由に該当しないと解するのが相当である。
と判断し,原決定を取り消し,免責を許可した。

 

 

 

3 破産法第366条ノ9第3号後段の財産状態についての虚偽の陳述とは

 

 

「事案」
Cは,借金返済のため,海外でバカラ賭博をはじめ,これを繰り返すようになった。
父親から2000万円を借入れ,その他消費者金融や金融機関からも2000万円程の借金をしたが,父親が肩代わりで返済をした。
その後,月収と同額程度の接待交際費の支出を3年間も続け,借金は増大していき返済不能の状態に陥り,自己破産の申立てをした。
Cは,申立書にギャンブルは一切やらないと記載し,クラブ等を毎晩のように飲み歩き,一晩の20万円から30万円も使った結果,1000万円を超える借金を負うことになったと虚偽の陳述をした。
破産宣告後,免責の申立てをしたが,裁判官から免責は困難である旨告げられたことから,免責申立ての陳述書には,バカラ賭博の事実を始めて記載した。
原審は,免責不許可決定をした。

 

 

抗告審,東京高裁(平成7年2月3日決定)は,抗告を棄却した。
破産に至る経緯について,虚偽の陳述の内容が重大・悪質な場合には,破産法366条ノ9第3号後段を類推適用して免責不許可の決定をなすことができると解するのが相当である。
免責制度は,誠実な破産者を更生させる目的のもとに,その障害となる債権者からの責任追及を遮断するために破産者の責任を免除するものであって,誠実な破産者に対する特典として免責を与えるものである。
免責の許否は,破産者の経済的更生の可能性,更生意欲の存否・程度等を考慮して決することを要し,破産者の破産に至る経緯は,これらの判断に重要な資料である。
債務者は,裁判所に対し誠実に事実を陳述すべき義務を負っているというべきであり,これに反して経緯について故意に虚偽の陳述をし,その内容が悪質なものについては,財産状態につき虚偽の陳述をした場合と同様に,裁判所に対する背信行為として,免責という特典を与えることは相当ではない。

 

 

4 取込詐欺と認められた判例(破産法366条の12)

 

損害賠償請求事件

 

金銭消費賃借契約の締結直後に破産宣告を受けて免責決定を受けた借主に対するその詐欺に基づく貸金業者の損害賠償請求が認容された事例

 

 

       主   文

 

一 被告は原告に対し、金九六万五〇〇〇円及びこれに対する平成一〇年一〇月二一日から
完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。
二 訴訟費用は被告の負担とする。
三 この判決は仮に執行することができる。

 

 

       理   由

 

一 前提事実

 

1 原告は住所地において貸金業を営んでいる。
2 被告は、昭和四〇年一二月三日生まれの男子で、家族としては専業主婦の妻(収入はない)と幼少の子二人がおり、K工業株式会社古河工場に勤務している。
3 原告は、被告との間で、平成一〇年一〇月二一日、金九五万円を、返済日平成一一年一月二〇日、利息年三二・八五パーセント、遅延損害金年四〇・○○四パーセントの約定にて貸し付ける旨合意し、右貸付金から調査料・手数料等の名目で金八万五〇〇〇円を控除した金八六万五〇〇〇〇円を、右同日被告に交付した(以下彼告によるこの借入を「本件借人」という。)。

 

 

二 争点

 

 本件借入は被告の詐欺によるものか(ただし、後記当事者双方の主張の要旨欄の記載によれは、本件借入当時、被告は本件借入金について客観的には返済不能な状態にあったことは争いがないところであり、したがって争点の核心は被告に返済意思がなかったかどうかにある。)。

 

(原告主張の要旨)

 

 次の事情に照らせは、本件借入当時被告に返済意思も能力もなかったことは明らかであり、本件は被告による取込詐欺である。
1 被告は、自己申告で消費者金融九社から約二六〇万円の借入があり、原告からの本件借入金を他社の三、四社に対する少額の借入金に返済し、借受金債務の一部一本化を図らないと原告への返済もできない状況であったのであり、被告は原告に対し、本件借入の際、その目的は右一本化のため借入する点にあること、親族や勤務先関係等無担保での借入は存在しないことを申し述べていた。
 しかし、真実は、本件借入当時無担保での借入や勤務先を通じての借入等を含め既に約六〇〇万円以上の借入金債務を負担しており、本件借入により借増しをしたところで到底返済の見込みはなかったうえ、右借人後、被告は借受先である消費者金融会社に返済することなく、本件借入金額にほぼ近い金額を非貸金業者で無担保の借入先である訴外S(以下「S」という。)に弁済した。
2 被告は、本件借入に先立つ約半年前に原告に来社し、その時の体験から、原告より金員を借り入れるためには連帯保証人をつけることが融資の絶対条件であることを知っており、本件借入当時も実兄の訴外甲野太郎(以下単に「実兄」という。)が連帯保証人になることを承諾しているが、同人は今出張中で本日連帯保証契約を締結することかできない、平成一〇年一〇月二六日までには必ず右契約に調印する等の旨を申し述べて、右同日までに連帯保証人を立てることを原告に約束し、原告はこれを信頼して本件融資に応じた。
 しかし、右同日になっても被告は連帯保証人を立てず、同日の被告から原告に対する電話の中では、明日(同月一一七日)に原告に来社する旨告げていたが、その日になっても来社しなかったため、原告の担当社員が被告の勤務先に架電したところ、無断欠勤しているとのことで自宅にもおらず、右担当社員は翌日(同月二八日)被告の勤務先を訪ねた。すると、被告は「自己破産を申し立てるために弁護士に依頼した」と言って、被告訴訟代理人の名刺の拡大コピーを右担当社員に見せた。その後、間もなく右訴訟代理人弁護士の受任通知が発信され、その内容には、「依頼者(被告)が多重債務に陥っており、右依頼者本人に支払請求することを厳にお断りする」旨記載されていた。
 これらの一連の事実経過に照らせば、被告が本件借入当時、返済意思を欠いていたことは明らかである。
 よって、原告は被告に対し、不法行為に基づく損害賠償として、本件借入に基づく交付金
八六万五〇〇〇円と本件不法行為と相当因果関係にある原告の弁護士委任による報酬金一〇
万円の合計金九六万五〇〇〇円及び本件不法行為の日から完済に至るまで民法所定の年五分
の割合による遅延損害金の各支払債務を負う。

 

 

(被告主張の要旨)

 

 本件借入当時、被告は原告が主張するとおり、約六〇〇万円程度の借入金債務を負担して
おり、これに対する被告の勤務先からの収入及びアルバイト先からの収入を加えても客観的には支払不能な状態にあったことは認めるが、主観的には、自分の責任で何とか借受全債務を返済しようと考え、アルバイト収入を増やすことで対処しようと考えていた。被告が原告を含む債権者に対する支払意思を失い、自己破産を決意したのは、原告の執拗かつ強引な取立を受け、このままでは、勤務先の会社を退職せざるを得なくなるばかりか、自分自身のみならず家族の生命・身体に対する危険を感じたためである。
 したがって、本件借入当時、被告には返済意思はあったのであるから、原告主張の詐欺は成立しない。

 

 

第三 争点に対する判断

 

一 本件争点は、本件借入の際、被告に詐欺があったか否かであるが、前述したとおり、右借人当時、被告はその当時の被告の負債総額及び収入等によっては客観的に支払不能の状態にあったこと換言すれは返済能力がなかったことについて争いがないところであり、また〈証拠略〉及び弁論の全趣旨に照らせば、被告自身本件借入当時、右返済能力を欠くとの点に関する根拠事実である借入負債総額及びその内容並びにこれに対する返済財源である自己の収入等の事実を認識していたことは明らかであるから、被告は、右借入時において、客観的には返済不能であることにつき自らこれを知り得たものと認定せざるを得ない。そうとすると、それにもかかわらず本件借入に及んだ以上、特段の反証なき限り、返済意思を欠いていたことが事実上推定されると解するのが相当である。
 してみれば、本件において、右反証があるかどうかにつき、次に検討することになる。

 

二 〈証拠略〉及ぴ弁論の全趣旨によれは、次の事実を認めることができ、右認定に反する被告本人の供述部分は、関係証拠に照らしてたやすく信用することができず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。
1 被告は、競馬資金の借入による借金を繰り返し、平成九年一一月ころからは専らその借入金返済のための借入を続けるようになり、本件借入直前には既に労働金庫(古河支店)、信販会社及び消費者金融会社(八社)に対し、合計六〇〇万円強の借入金債務を負担していたうえ、勤務先の同僚であるSからも弁済期の定めなく金八二万円の借入を受けていて、消費者金融会社に対する返済のみで月少なくとも約一三万円、労働金庫の返済については月三万円をそれぞれ支出していた。
 これに対し、被告の収入は、勤務先からの月平均約4一一〇数万円(平成一〇年九月の手取り収入〔ただし、被告の手取り収入は、労働金庫からの借入の返済金として毎月三万円控除された後の金額である〕は、金二〇万六八七七円であり、同年一一〇月のそれは、金二四万四九七円である)であり、これに毎日なされる新聞配達の仕事と月一五日なされるホテルフロント業務による毎月のアルバイト料合計月約一五、六万円から成り、これを合わせたものが被告の月収である。
 そして、被告には特に返済財源となるようなみるべき資産はなく、また親族から自己の借金の返済のため援助を期待できる状況ではなかった〈証拠略〉。
2 被告は、本件借入の数か月前に原告から借入しようとしたが、連帯保証を条件としていたため、これをあきらめたことがあり、本件借入は原告に対する初めての借入である。
 本件借入の内容は、前記争いのない事実3記載のとおりであるが、さらに被告が右借入の五日後の平成一〇年一〇月二六日までに本件借入に基づく被告の債務について保証する連帯保証人を立てることが条件とされており(ただし、被告は、本件借入当時、原告担当者に対し、連帯保証人候補者からの同意を得ていると述べたが、実際には同意か得られていなかった)、これができなけれは被告は期限の利益を失うこと及び同年一一月から返済期限である平成一一年一月二〇日までの間、毎月二〇日限り、右借入についての利息を支払う旨が原告と被告との間で合意されていた。
 被告は、本件借入当時、原告の担当社員に対し、この借金の目的は被告が負担する他の消費者金融会社の借受金債務のうち、少額の借入先の債務についての返済をするためである旨告げており、また本件借入の返済方法については、被告の取引銀行から資金を調達して返済期限に一括返済する、仮にそれができなければ身内等から金策して必ず返済期限には完済する旨述べていた〈証拠略〉。
3 被告は、原告から、本件借入により、借入金九五方円から契約手数料等八万五〇〇〇円を控除した金八六万五〇〇〇円を受領したが、その金員の中から、右借入前に無利子で借金していたSに対し、本件借入当日、金八二万円を返済した(乙七、被告、弁論の全趣旨)。
4 原告主張の要旨欄記載の2の事実中の一連の市実経過に関する事実。
5 被告は、平成一〇年一月、八日、水戸地方裁判所下妻支部に自己破産の申立てを行い、同裁判所から破産及び同時廃止の決定を受け、その後さらに免責決定を受けた〈証拠略〉。
 以上認定の事実及び前記争いのない事実を踏まえて、被告による反証の有無について次に検討する。
 右認定の本件借入前の被告の借受金債務総額、被告の毎月の返済額、被告の家族構成、総収入額及び被告が特に返済の財源となるような資産を有していなかったこと、平成九年一一月ころから専ら返済のための借入を繰り返していたこと、被告は本件借入後の新たな借入を受けないまま自己破産に至っていること等の事実に照らし、被告は本件借入当時、右借入を受けても、自己の収入の中からはその弁済期に弁済を行うことが到底できない状況にあったことは明らかである。そのうえ、本件借入により、無利子であったSからの借入金債務が高利の原告からの借受金債務に変わり、これによって彼告は、原告との約定に従う限り、平成一 ○年一一月から従来の返済額に加えて毎月約二万六〇〇〇円の利息の支払を余儀なくされ、さらに平成一一年一月二〇日には本件借受元金九五万円の一括支払をせざるを得なくなったものである。これに対し、被告は、本件借入金の返済については、原停担当者に対し、銀行から借入を行って調達し、仮にそれができなけれは身内から調達する旨申し述べているが、これか本件借入当時可能であるとする根拠は全く存在していなかったというべきてある。加えて、被告は、本件借入の目的について、原告の担当社員に対し、小口の消費者金融会社に対する弁済のためであると言っておきながら、実際にはこれに反し同僚への弁済を借入当日行ったものであり、本件借入金の使徒について真実を述べていたかどうかも疑問である。そのうえ、被告は、原告担当者に対し、本件借入の際、連帯保証人候補者からの同意を得ていないにもかかわらず、連帯保証人候補者の承諾を受けており、後日必ず立てる旨約して本件融資を実行させている。
 これらの事情及び本件借入後の一連の事実経過等を併せ考慮すれば、被告は、本件借入当時、支払意思を有していなかった疑いが強いというべきであり、仮にそうでないとしても、被告の支払意思の欠如について、合理的疑いを抱かせる事情は特に窺われないといわざるを得ない。
 もっとも、被告は、客観的に支払不能であっても、本件借受当時、アルバイト収入を増やして返済に対処しようとしており、これが実現できずに自己破産を決意するに至ったのは原告の強硬な取立のためであるから、支払意思は有していた旨主張する。しかしながら、本件借入直前の時点において、被告は既に時間的、労力的に可能な限度のアルバイトの仕上を行っていたものと推認され、これ以上アルバイト収入を増やすことか現実に可能であるとの合理的根拠事実を認めるに足りる証拠はないうえ、被告が自己破産の決断をした時点は、被告が返済不能を自覚した後の時点の行為というべきであるから、仮に本件借入当時被告が自己破産の意思までも有しておらず、これが原告の返済請求を受けた後に生じたとしても、それか故に本件借入時に支払意思を有していたことの根拠にはなり得ないというべきである。
 そうすると、本件において、被告の反証は十分ではないから、本件借入時に被告が返済意思を欠いていたことを推認するのが相当である。したがって、争点に関する原告の主張は理由がある。
 よって、本件詐欺が認められ、被告は原告に対し、損害賠償として、原告が被告に交付した金八六万五〇〇〇円及び右の不法行為と相当因果関係があると認められる弁護士報酬金一〇万円の合計金九六万五〇〇〇円とこれに対する不法行為の日である平成一〇年一〇月二一日から完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金支払債務を負担する。

 

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